牧野修「月光とアムネジア」



月光とアムネジア

月光とアムネジア

SFとグロ好きには牧野修がオススメと聞いたので、とりあえず目に付いた本書を購入。
物語の舞台ともなる、3時間ごとに記憶をリセットされる空間<レーテ>を使った仕掛けは
特筆すべきところはないけど(いいのか)、どこか間の抜けた造語や奇妙なレーテ内生物が
椎名誠のSFを髣髴とさせて面白かった。不死身の兵士の名前が「ゆずす兵」というのがまた。
ひたすら続く陰鬱な雰囲気、改行を多用した焦燥感の演出あたりも楽しめた。グロは控えめ。
せっかくの<レーテ>を生かしたトリックがもう一捻りあったらなぁ。