グレッグ・イーガン「順列都市」

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

途切れ途切れに読んでいて、登場人物と時系列、「塵理論」が何たるかがいまいち把握できていなかったので、また最初から読んでみた。
・・・この作品は凄い。何が凄いって仮想世界に対するアプローチの仕方が凄い。たとえば仮想世界で宇宙の寿命をも越えた不死を約束されたときに、あまりの退屈さに住人は発狂してしまうのではと思うところだけど、この作品の登場人物は何百年も大工仕事をしたり、虫の標本を見続けることも出来るように自分自身のパラメータを振りかえてしまう。おいおい、RPGかよと。第2章後半の、仮想世界で走らせている環境シムの中の住人(近未来版シムアースみたいなものだろうか)が仮想世界のルールを・・・といった展開はゾッとした。こういうディック作品のような展開は大好きだ。
塵理論については読みながら色々と理解しようと試みたけど、最後まで理解しきれなかったのは秘密。なんとなーくは分かったんだけど・・・。