古橋秀之「ある日、爆弾がおちてきて」




ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきて

「時間」と「ボーイ・ミーツ・ガール」の二つのテーマ(つまり時間SFネタを織り交ぜた青春ラブコメ)を扱った短編集。
2chはてなで評判が良かったので購入してみた。
短編毎のクオリティの差が少なからずあったり、時間ネタの扱いに対するツッコミどころがあったりしたけど
これがなかなか楽しめて一気に読んでしまった。
あとがきに、短編ということで「いいとこ取り」しているという旨の話があったが、
確かに前後がブツ切りだけど短編ごとのネタが上手く料理されていて面白かった。
ベストは「むかし、爆弾がおちてきて」。
「恋する死者の夜」も死者が街を闊歩して生前の行動を繰り返す・・・といった話で、
明らかにこの短編集から浮いている退廃的な世界観がツボ。
巻末の著作リストを見て、著者の古橋秀之レンズマンシリーズの外伝を執筆していたりと
実は結構なSF者だということを知ってびっくり。